漢方には脈診という独特の病態・症状の把握方法があります。

長全堂薬局に定期的に来店され、日々の健康に資する漢方薬を服用されている女性。
一通りお話を伺うと、新たな症状があり漢方薬の変更した方がよさそうなので、知恵を絞り処方を検討し選定します。
果たして選定した漢方薬が妥当か否か、脈診をし舌診を行い確認します。

脈を診ていると身体がストレスに強く反応しているようです、
ストレスがあるというお話は伺っていません。
「何か強く気になっていることはありませんか？
自分の努力だけでは解決できない、不愉快な出来事がありませんか？」と尋ねてみると
案の定
「実は・・・」ひとしきり最近身に振りかかった不愉快な出来事、
しかもいつ解決するかも判らないと、一気呵成に吐露されました。
お話を踏まえ漢方薬を選定しなおしたのは言うまでもありません。

脈診は多くのことが判り、漢方相談の心強い味方になります。
ただ、漢方の仕組みや理論をよく理解した上で脈診を行わないといけません。
ある程度理解できると、本人が話をしていないことも類推できることがあります。
また私の方から話をしてもいない事柄を告げると、とても驚かれますが強い信頼にも繋がります。

件の女性、抱えていたストレスを吐き出したおかげかスッキリとした表情で帰られました。