７０歳代の男性、長く続く持病（生活習慣病）対策で漢方薬を服用されています。
順調に体調が回復していたのですが、ある日
「下痢が止まらくて困っている、何とかしてくれ！」
と電話が。
よくよくお話を伺うと、ピロリ菌対策で抗生物質を連複されているとのこと。
体調が万全でない所に抗生物質を服用したので、腸内環境が悪化し下痢をするのも無理はありません。
その事をお話をし、抗生物質の服用が終われば回復する旨を説明し、納得していただけました。
しかし今の下痢は辛いもの、何とかしなければいけません。

抗生物質を服用することで下痢をするということは
腸内の消化に役立つ細菌をも殺してしまい、
消化吸収に悪影響を及ぼし結果下痢をしてしまう訳です。

しかし更に漢方的に一歩踏み込んで考えると、興味深いことがわかります。

抗生物質は身体を冷やす効果のある薬剤です、
抗生物質で下痢をする ＝ 下痢の背景には冷えがある訳で、
身体、特に消化管を温めることで、下痢止めの作用がより効果的になります。

更に抗生物質服用終了後の腸内環境の回復が早くなることも期待できるはずです。

件の男性には普段の漢方薬に真武湯を、追加で服用していただきました。
あれから下痢が治らないという苦情の電話がないので、
きっと良くなられたのでしょう。