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江戸の薬屋 べらぼう 6月15日放送分から 

蔦重の背後に薬屋が、暖簾には

 我こそは江戸一利者なり

【べらぼう 6月15日放送分】
江戸時代の風俗を色濃く反映させたドラマなので
漢方薬生薬認定薬剤の目線で見ると
興味深い事柄があちらこちらに!
蔦重が自身の扱う錦絵を地方に販売するため
日本橋で地方の行商人に声をかける場面
蔦重の背後に薬屋が映り
その暖簾に商品名がいくつか書かれていますね
「膽氣丸」「消毒丸」「実母水」「金命散」
それらしい名前ばかりですが、
なんとなく違和感が・・・
「膽氣丸(たんきがん)」 膽とは胆のこと、
 薬になるのは
 蛇胆(じゃたん):蛇の胆と熊胆(ゆうたん):熊の胆、
 恐らく熊胆を用いた「熊胆丸(ゆうたんがん)」をもじって
「膽氣丸」としたのではないかと推測
「消毒丸」は越後の売薬さんの「毒消丸」をもじったのかも
「毒消丸(どっけしがん)の行商の売り子は
 若い女性だったとか、熊本にも同名の売薬があるそう
「実母水」は広く婦人薬として有名な
「実母散」が元になっていると推測
「実母散」は現在でも愛用される方が多い
「金命散」という名の薬は存在しないそうです
 ”金”の字が含まれる処方で有名なのは
「千金内托散」身体が弱り膿を排出する力が
 衰えている方に用います
あの暖簾を作った方、知恵を絞りながら
楽しんで作ったのは間違いなさそうです

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