随分と(回復が)お早いようだ

策略

上手く狂言自殺ができました

狂言自殺
【べらぼう5月18日放送分】
今年の大河ドラマ「べらぼう」は
賛否はありますが、合戦のないドラマです
一方で人々の思惑が交錯する様を描いてもいます
今年の大河ドラマ「べらぼう」は
賛否はありますが、合戦のないドラマです
一方で人々の思惑が交錯する様を描いてもいます
江戸城内では、十代徳川将軍家治の側室知保の方が
狂言で服毒自殺を図る場面がありました
あくまで狂言であるので、本当に自殺する気はない
さて漢方を生業としている者として
その時に用いた毒薬は何だったんだろうか?
気になります
当時の毒薬、、、となると真っ先に
”冶葛(やかつ)”が思い浮かびます
この冶葛は正倉院にも納められ
世界最強の猛毒であることが知られ
呼吸麻痺で死に至るとされています
ドラマの中では嘔吐して苦しむ様が描かれ
また非常に早く知保の方様が回復し
周囲が驚くシーンがあることから
冶葛ではなさそうですね
同じく”ブス”の語源にもなった附子(ぶし)も
強い毒性を有するので
冶葛と同じ理由で除外ですね
もしかしたら本当は毒ではなく
用いたのは服用したら嘔吐して苦しくなるだけの
クスリ(漢方薬)だったのではないでしょうか?
それなら心当たりがあります
胸の詰まる不快な症状を、嘔吐させて改善する
「瓜蒂散(かていさん)」という処方があります
知保の方様が、病床で
「その者が薬に詳しくてな、
よき塩梅にあつらえてくれた」
と述べる場面があります
瓜蒂散(かていさん)なら設定に無理がありません
このドラマの脚本家 森下洋子さんはよく調べられていますね